転職。前職の鎧を脱いで、こだわりすぎないということ。

今、転職活動をしているけれど、転職先がなかなか決まらない人がいて、話を聞くと働く際の条件がいろいろあるようで、それじゃあなかなか決まらないのも無理はないと思った。一社から内定をもらったけれど、ひとつ譲れない条件が満たされなくて、内定を辞退したとのこと。そこまで条件にこだわるのは、どうしてだろう。転職を真剣に考えているから、とも言えるし、それだけの条件を並べるのは自分に自信があるから?条件をすべてクリアする会社がどこかにあると思うから?私はその人ではないのでよくわからないけれど、前職でバリバリ働いていたという自負(プライド)がそうさせているんじゃないかな、と。



でも、前職は前職で、労働条件はその会社その会社で違うものだし、前職の条件より良い条件を求めるのもわかるけれど、その人の場合、基本的に新人と同じ扱いで雇われるタイプの転職だから、前職のことは忘れて、1から覚えるつもりで……と思うのだけれど、その人は「これまで自分はこういう仕事をやってきた」「自分はこういうスキル(技術)があるんです」「だから、これとこれの条件だけは譲れないんです」という気の強さが見え隠れして、なんというか、その強さが転職を難しくしているのではないか、と。


スキルや経験はある人なので、会社としてはほしい人材ではあるけれど、でも働く前からあれこれ条件を出されると、雇いたいとは思わないのではないだろうか。



もちろん、自信がなくて、「この人ちゃんと仕事できるの?」と不安になる人よりはいいかもしれないけれど、上で書いた人のように前職の鎧を着たまま対峙されても困るのが雇う側の本音だと思う。


鎧を脱いで、まずはそこから。


私の経験からすると、転職したら、0になると思う。それまでの経験やスキルは多少は役にたつこともあるかもしれないけれど、基本的には丸腰になると言っていいと思う。ルールは会社によっていろいろだし、新たに防具や武器を見つけて、自分なりの戦い方をひとつひとつ身につけていくしかない。初めてのことばかりで失敗もするし、痛い思いをすることもあるし、悔しいこともある。でも、まあそういうのはたいてい一過性のものだから、気にしないほうがよい。雨の日や嵐の日はあるものだ。うまくいかない日もある。疲労困憊して泣きたくなるときも。でも、それに振り回されてしまうのは、よくないと思っている。体や頭の力を抜き、楽になること。ゆるめること。こだわりすぎないこと。


転職したら何もかもが変わる、人生が薔薇色になる、なんてことは、まずないと思う。転職したらしたで、苦労は出てくる。だからこそ、転職先の条件にこだわるのかもしれないけれど、こだわりすぎると、うまくいかなくなると思う。まあ、縁とかタイミングもあるし。今思ったのは、一方的においしい情報(例えば求人情報とか)を欲しがる人は、敬遠される。なにか情報を引き出そう引き出そうとガツガツキリキリしている人には近づきたくないと思うのは、私だけではないはず。


で、言いたいことを一文にすると、転職は、前職の鎧を脱いで、こだわりすぎないということ。そんな感じかな。転職は、本当にケースバイケースなので、ここに書いたことが参考になるかどうかわからない。でもまあ残しておくことにしよう。