知らないという認識(森博嗣)

知らないことは全然恥ずかしいことではない。百科事典が世界で一番偉いと思っている人はいない(いてもごく少ないだろう)わけで、「知らない」とは、倉庫の中にまだ余裕がある、という意味であって、むしろ喜ばしい状況ではないか。だから、それを恐れてはいけない。自分が何を知らないかを認識してさえすれば良い。

――臨機応答・変問自在―森助教授VS理系大学生 (集英社新書)森博嗣

これは、私の好きな言葉ですね。
知らないということを知る。知らないことがあってもいいのだという慰めにも似た安堵感を覚えます。
できれば何でも知っておいたほうがよい。知らないよりは知っておいたほうがよい。そうはいっても、知らないことは多すぎるくらい多い。何もかもを知ることはできない。一生かかっても。逆に言えば、知らないことを知るという楽しみがあると思うのですよね。知らないことを知るというのは楽しいです。知る楽しみ。知らないことは恥ずかしいことではなく、これから知っていけばいいだけのこと。日々、知る楽しみを味わいたいものです。

臨機応答・変問自在―森助教授VS理系大学生 (集英社新書)

臨機応答・変問自在―森助教授VS理系大学生 (集英社新書)