いつだったか忘れたけれど、天気のとてもよい日、街灯のてっぺんに2羽の鳥が並んでとまっているのが窓から見えた。
その2羽の鳥は、なにか語り合っていた。
語り合っているように見えた。
その2羽の鳥から私は目が離せなくなった。
オスとメスだろうか。
仲がよいというか、いっしょにいるのがとても自然で、
お互いあまり気をつかっていなくて、
とても楽な感じに語り合っているように見えた。
時々お互い黙って、それぞれまわりの風景を眺めたりしている。
それぞれ考えごとでもしているのかもしれない。
沈黙の時間がそこにはあって、
でもその沈黙が少しも苦しくなくて、
やがてどちらかが喋りはじめて、
もうひとりは頷いて、
その光景がとてもよいなと思った。
2羽の鳥は、ほぼ同時に羽ばたいた。2羽は街灯をあとにした。
広い、あまりにも広大すぎる空も、2羽いっしょにいられるのなら寂しくないだろうな、いいな、と思った。