電子書籍の壁

「本をよく読まれてますけど、電子書籍もよく読むんですか?」

と聞かれた。


答えはNO。
紙の本はよく読むけれど、電子書籍は普段読まない。
以前携帯で試し読みできる小説を読んだけれど、読むのに疲れてしまった。
読みにくかった。
以来携帯で何か小説を読もうとは思わない。
小説といった長文を読むのならやはり本だ。

1.読みやすさの壁
2.携帯性の壁
3.ハードの壁(プラットフォームの壁)
4.意識の壁
5.バッテリーの壁
6.価格の壁

ということで書いていこうと思う。

1.読みやすさの壁

電子書籍が読みやすくなったら、
紙の本を広げたようにすらすらと読めるようになったら
電子書籍を読むようになるかもしれない。


以前ある電子書籍を特定のリーダーで読んだことがあるが、読みにくかったことを思い出す。
わざわざリーダーをダウンロードして読んだわけだが、ダウンロードしたりする手間をめんどくさいと思う人も多いだろう。
リーダーをダウンロードしてでも読みたい。そういう書籍があるのならいいけれど、どこでも読めるという手軽さは本に軍配があがるように思う。

2.携帯性の壁

これは友人と話していたのだけれど、本はとにかくかさばる。かさばるのでKindleなんかでまとめて読みたい本を読めたらいいねと。
携帯電話を持ち歩くように持ち歩けるツール電子書籍を気軽に読め、かつ読みやすければ電子書籍を読む人は増えるかもしれない。
携帯しやすいかどうかという点ではノートパソコンを携帯する人はまだまだ少ないだろう。
携帯性という点では文庫や新書の方が上。カバンにポンと放りこめる。

3.ハードの壁(プラットフォームの壁)

これはなかなか高いのではないか。
電子書籍を読むにはハード(プラットフォーム)が必要。
携帯電話なら所有率は高いだろうが、画面も小さく電子書籍は読みにくい。((画面の小ささは気にならないという人もいるだろうが)
パソコンくらいの画面の広さがあれば、ましかもしれない。
が、本を持ち歩くようにパソコンを持ち歩く人は一部だろう。
モバイルパソコン利用者も増えてきていると思うが、読書するためにモバイルパソコンを使っているという人は少ないだろう。
電子書籍を読むためにわざわざそれ様にハードを買うという人も少ないと思う。
ハードを必要とする電子書籍
すでに紙としてのハードを兼ね備えた態の本。
加えて書くと、ハードはいつか壊れる。ハードは古くなる。買い換えるそのたびにデータを移行する作業はめんどくさい。
一度読んだ本はもう二度と見ないというのであればいいかもしれないが、好きな作家の本は何度でも読みたいし手元に置いておきたいというのがある。

4.意識の壁

ファン心理というのだろうか。好きな作家の本は手元に置いておきたいそういう心理があるように思う。
手元にいつも見える形で、読みたいときにいつも読める状態で置いておきたい。
電子書籍でもそれは可能かもしれないが、読もうとしたときハードを起動するところからはじめなければならない。
意識の壁というのは個人差がある。
書籍だろうがデジタルだろうがどっちでもいいじゃないかという人もいれば、本を読むのはやはり慣れ親しんだ紙媒体でという人もいるだろう。
友人は書籍媒体とデジタルのものと発売されたら、書籍媒体のものを買うと言っていた。読み終わったら中古書店に売れるし、読みたいという人に貸したり、あげたりできるから、と。そういう考え方の人がいるのも確かだ。

5.バッテリーの壁

ハードにはバッテリーが必要。電源が必要だ。
携帯しかりパソコンしかり。
バッテリーが切れてしまえば、読みたくても読めなくなる。
一方紙は電源を必要としない。
本当にどこでも読むことができる。光さえあれば読むことができる。

6.価格の壁

電子書籍の価格については詳しくないのでわからない。
紙媒体の本の価格が安いとは言えないけれど、
ブクオフや中古で安く手に入れることはできる。
図書館だったら無料で読むことができる。
誰もが電子書籍を読めるハードを持っているわけではない。
ハードの価格は決して安いものではない。
わざわざハードを買ってさらに電子書籍も買ってとなるとなかなか手が出ない人もいるのではないだろうか。



すでに電子書籍はたくさん出回っているし、電子書籍には電子書籍の良さがあり、電子書籍になじんでいる人も多いだろう。が、私のような紙の本大好き人間が電子書籍を読むようになるには電子書籍の壁は少々高いような気がする。


電子書籍化に反対しているわけでも賛成しているわけでもない。
これからどんどん電子書籍化の流れは加速していくと思う。
が、その流れに人がどれだけ乗るか、その流れについていくかはまた別のことだと思う。
流れについていく人はついてくし、ついていかない人はついていかないだろう。
iPadも日本に登場し、これから電子書籍がどうなっていくのか楽しみであったりはする。