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静寂からの贈り物

人混みが苦手だ。街の喧騒も。
賑やかなのは良いことだと思っていたけれど、最近はそうでもない。賑やかな光景を遠くから眺める分は良いけれど、その渦中にはいたくない。人が多いところは疲れる。疲れるのは好きではない。誰でもそうだと思うけれど。


本を読んだり考え事をしたり、といった時には周りに人がいない静かな場所に行きたい。少し前、海の近くのカフェでコーヒーを飲んだのだけれど、静かで居心地がよく、読書に集中できた。海辺の町は人も少なく、むしろ猫の方が目についた。散歩していると人なつこい猫が体を摺り寄せてきて、まるで初対面ではないかのようだった。


海の近くとは言っても、波音は聞こえない。静寂。そのひとことに尽きる。


街の中にいると、情報と刺激の網があちこちに張り巡らされていて、それらに目を奪われてしまう。自分が本当に見たいもの、見て心地良いものを見れなくなる。それが街の中だと思う。もしかしたらネットもそうかもしれない。


確かに街もネットも賑やかで面白いけれど、でも落ち着かない。目や耳から入ってくる情報が脳を興奮させ落ち着きをなくさせる。落ち着かない状態が続くのはとても疲れる。私は静寂が恋しくなる。


静寂は心を落ち着かせてくれる。心に平穏を与えてくれる。それは静寂からの贈り物だ。


静寂の中、誰にも邪魔されることなく本を読み、考え、自分と向かい合う時間を積極的に持つことで、良いアイデアが生まれることもあるし、心身ともに休息をとることで穏やかな気持ちを取り戻したり、もしかしたら新しいことを始める気力も出てくるかもしれない。


あわただしい日常に翻弄されるのは好きではない。心がささくれだってくる。心身ともに健やかに穏やかでいるためにも静寂の時間を少しでも持ちたい。1時間でも30分でもいいから。