年齢の見えない壁

40代の知人の話。
とある会社のパートの採用面接を受けて、落ちたとのこと。彼女が言うには、同じく採用面接に来ていた30才くらいの女性の方が採用されたんじゃないかと。
「まあ、どうせ採用するなら少しでも若い人のほうがいいよね」と知人は溜め息。
知人が応募したパートの仕事は特に資格や経験を必要としない仕事なのだと思う。そういう仕事の場合やはり若い人の方が体力もあるし、動きもいいし、仕事のやり方などいろいろなことを覚えるにしても、若い人の方が覚えは早いだろう。
雇う側は若い人を求める傾向にあって、年をとっていると不利になるというのは現実にあるようだ。
「せめて私が32くらいだったらなあ」と知人は冗談ぽく言っていたが、もし仮に32才だったら同じ日に採用面接に来ていた人ではなく自分が採用されていた自信があったのだろうか。


思うに、女性が結婚や出産などで一度仕事を辞め、しばらくブランクがあって、また働き始めるというのは、相当大変なことで、そのまた働き始めようとしたときにぶつかるのが、「年齢の見えない壁」なのだと思う。
雇う側ははっきりとは年齢について制限は出さない。出さないけれど、応募者の年齢を一人一人チェックして最終的に採用不採用を決めているはずで、どうせ採用するなら少しでも若いほうがいいと考えるであろう。若いと体力もあって、物覚えも早くて、と考えるのは当然で、まあ年をとっていると、個人差はあるものの、図々しかったり、口ばかり達者だったり、年上風を吹かせたりで、扱いにくいとそう考えてしまうのも、いたしかたない。
年齢で差別しないでほしいと思うけれど、雇う側には雇う側の都合があるので、こればかりはどうしようもないのかなと。応募するとき年齢を詐称するわけにもいかないし…。
では、資格や経験があれば、年齢で差別されないのか、といえば、うーん。どうだろう。そのへんについては少し考えて、日を改めて書いてみたい。