「3月のライオン」1巻 羽海野チカ 読んだ。

3月のライオン (1) (ジェッツコミックス)

3月のライオン (1) (ジェッツコミックス)


今日買って、帰ってから読んだ。

泣いた。



以下感想。ネタばれありです。反転はしておりません。ご注意ください。











この手のものに私は弱い。めちゃくちゃ弱い。

主人公が「物語のはじめから孤独」というゆるぎないものを読者に見せておくというその手法は、

どこかよしもとばなな的だなとも思ったりした。




孤独な主人公というのは、わりと受け入れられやすい。

幸せで恵まれすぎている主人公というのもありだが、

人はおうおうに人の不幸を好むものだったりする。



最初は順調だった物語がある日突然不幸に転じるということは、
よくあることだ。
事故にあったり、大切な人が死んだり。
前作「はちみつとクローバー」もそうだった。
ああ、そうきたか。と、はぐみの怪我のとき、そう思った。



天才という設定もそういえば今回の「3月のライオン」の主人公零と同じように思う。
はぐみも天才だった。



さて、主人公の過去や境遇が涙をそそる設定だったりするところが

なんともやられた感がある。




孤独な少年やその周りの人間が少しずつ幸せになっていくストーリーなのかなと思ったりしている。




あかり・ひなた・モモの3姉妹の設定が、これまた羽海野チカ氏らしい。

かわいい。かわいい。愛らしい。

男女問わず好かれるキャラをつくりだしている。




他のキャラも魅力的だ。

二海堂晴信に松本一砂、スミス。




主人公に影があるだけに、他のキャラは個性的かつ明るいものを持ってくるあたりも

常套といえば常套なのだが、巧い。



そしてハチクロ同様、

詩的言葉がちりばめられている。

そこに琴線が震えてしまう読者も多いだろう。



そして、
あかり・ひなた・モモの3姉妹もまた傷を抱えている。
傷は乾いていない。


そこのところに羽海野チカ氏の巧さを感じた。


痛みを知っているのだ。あの3姉妹も。


明るくにぎやかな日常はただそれだけではなく、
影の部分もある。そこを実にうまく描いている。



大切な家族が死んでしまい、
ひとりになってしまって、
それでも生きなければならないという現実。
それでも生きているという現実。



生きることを放棄しないということは、
孤独と向き合うということであり、
「激しい痛み」を感じ続けるということだ。



大切な人、大切な人々を失って、
それでも生きていくということ。



シリアスでありながら、それでも、笑えるエピソードを
適度に差し込んでいるところが読者を飽きさせないのかな、とも思う。


ひなちゃんがお弁当を好きな男の子のために作るエピソードとか大好きだ。




ちなみに、わたし的にはあかりさんが好きだ。

彼女のような女性に憧れる。

彼女のようにいつもにっこり笑っていられたらな、と思う。




あかりさんの似顔絵を描いたけれど、

うまく描けなかったので、アップするのはやめたw



香子については、これからかな、と思う。

かなり確執がありそうだけれど、1巻の中のエピソードでは終わらないと思う。

というか終わってほしくない。

魅力的なキャラだからだ。香子は。




久しぶりに漫画を読んで泣いた。

すでに続きが楽しみになっている。「3月のライオン