借りてきた写真集。
写し出された世界に引き寄せられる。
そこにあるのは窓枠に格子がはめられた外には容易に出れない部屋。
格子がはめられた窓から見える世界だけが唯一の外の世界で、
本当は世界はもっと広大であらゆるものが蠢いていて。
それなのに今いる場所は
閉じていて。
きっかけは一冊の本だった。
読んで、あてもなくても外に出たいと思った。
とにかく外に出たいと思った。
閉じこもることで楽な部分は確かにあるけれど、
閉じこもることはいつでもできる。
健康で元気で、歩くことができる。
風はまだあたたかくどこまでもいけそうな気がした。
箱に閉じこもることだけはしたくないと思っている。
開けたフタを再び閉じてしまいたくなるときもあるけれど。
自分を守るための箱も必要。居場所としての箱。自分の領域。自分の場所。
大事にしたい。
箱の中と外。
本当に本当に閉じてしまいたくなるときがある。
閉じこもってしまいたくなるときが。
それでも閉じこもらずにこうしているのは、成長したからだろうか。
わたしは少しは成長しただろうか。