世界を静かに眺めること。
それも大事だと思う。大きな声はやはり耳に入りやすい。また、非常事態を見ると人はじっとしてはいられないもの。かく言う私も3/11以降じっとしてはいられなくて、テレビを見たり、ネットであちこちのサイトを見たりしているけれど、発信は控えめにしている。基本的にわたしは静観の構えで、これといって震災関係の情報をRTしたりはしていない。
読みきれないほど震災関係ツイートはあふれている。必要な人はそこから探し出して見るだろう。わたしはわたしの視点で文章を書く。それがいちばんだと思う。
だいぶ前の話になるけれど、以前ネットカフェを利用したとき、すぐ近くから携帯で電話をする男性の声が聞こえてきたことがある。小声で話すというわけではなく、ヘッドホンをしていなければ聞こえてしまうくらいの声の大きさだった。
要するに、所持金がなく、ネットカフェを出られない。金を持ってきてほしい、とそういう内容だった。相手は友達か親かわからない。わからないけれど、どうも持ってくるのを渋っているようだった。
結局わたしのほうが先にネットカフェを出たのでその男の人がどうなったかはわからない。
最近読んだエッセイ集「散歩とカツ丼―’10年版ベスト・エッセイ集」の中に収められた雨宮処凛氏の「底の抜けた国で」にも所持金ゼロでネットカフェに入ってしまった男性の話があった。「ネットカフェ難民」は今もいるのだと思う。ネットカフェに寝泊りできる所持金があるうちはよいが、もしその所持金が尽きてしまったらどうなるのだろう。
わたしは図書館で「ルポ 若者ホームレス (ちくま新書)」という新書を手に読み始めた。
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誰もが帰れる実家があるとは限らないということ。
書かれているものを読んでいて苦しくなってくる。しかし読む価値がある本だとそう思う。
「生きのびろ! 生きづらい世界を変える8人のやり方」こちらも読んでみた。
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この中に登場している8人の人は、それぞれの生き方で考え方も様々で、知らなかったこと刺激されることも多い。身体的にも精神的にもタフでないと生きていけないのかなぁと思うことがあるが、殊更タフでなくてもよいのではないかとも思ったりする。誰にでも弱い部分はある。凹むことも動けなくなることもあるものだと思う。それはそれで仕方がないとして、それでも何らかの対処法はあるのだと思う。人それぞれに合った対処法が。
人生の流れというのだろうか。その流れの中で時に動きたくても動けない時期というのがあるのだなということを最近感じている。そういうときはさまざまなテーマの普段は読まないような本を読んでみるとよいと思う。今は動けなくても、本で世界を垣間見ることができる。知らない世界がまだまだあるのだということを知ること。それは大事だと思う。
そして読んで考えることだと思う。考えることで思考回路が鍛えられたり刺激を受けたりというのは大いにあると思う。
自分の頭の中に新しい風を送りこむこと。それは日ごろから心がけておきたい。
世界を静かに眺める。
自分の思考回路を鍛える。
そういう時間があってもよいとそう思う。
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