地方に仕事を。

昨日読んでいた本です。

いま、地方で生きるということ

いま、地方で生きるということ

1.とある町のこと

かく言う私も地方在住で、地方の中でも都市部のほうなので、それほど不便とか困っているとかそういうことはないです。
もっと不便な場所があることは現実として存在するのですよね。今日は私が知っているその町のことを書いてみたいです。(読んだ本に出てくるわけではありません)

その町に内科はあっても小児科や耳鼻科、産婦人科はないです。皮膚科は数年前できて、それまではありませんでした。スーパーは町に3軒。コンビニも3軒。
ゲーセンはありません。本屋さんもレンタルCD屋さんも映画館もありません。ブクオフなど中古書店もありません。カラオケボックスは1軒だけありましたが、閉店してしまいました。マックもモスもロッテリアもありません。カフェもないです。ちょっとお茶したいと思っても入れるような喫茶店もありません。商店はシャッターが降りているところが本当に多いです。

町を通るバスはありますが、本数は少なく、鉄道はありません。どこに行くにも車が必要です。
町に中学校はひとつだけ。以前5校点在していましたが、生徒数の減少で1校に統合されました。町の唯一の中学校までバスで通わないといけないらしいです。
地元の子どもたちは、だいたい高校まで地元から通って、その後進学や就職で他所に行く人が多いようです。

働きたくても地元には会社というのは本当に少ないです。だいたい近隣の少し大きな市へ通勤したりしているようです。近隣の、といってもその市まで片道40kmはあるようです。地元の町で働くには農業か自営業か・・・あとは役所の公務員になるしかないようなそんな感じでしょうか。公務員の場合、なれる人には限りがあります。
いろいろなイベントをしようにも人がいないので、企画実行するのが難しい。もちろん予算がないというのもあると思います。

人が少ないせいか本当に静かで平和。
現在、町内にある駐在所を減らそうとしているらしいです。
地元の人は反対しているそう。
そのことを知って、冒頭に紹介した本のこの部分を思い出しました。

社会資本の再配置は、住んでいる人間の絶対数に応じて進む。
いま、地方で生きるということ」より

2.仕方ないで済ませたくないという思い

どんどん便利になっていく地域があれば、不便になっていく地域もあるのですよね。それは仕方ないことなのかもしれないけれど、仕方ないで済ませたくないという思いがあります。

地方の活性化。

言葉にするのは簡単でも現実にするのは難しいです。

働けるうちは都会で働いて稼いで、そして定年後は田舎でのんびり。そういった生き方を選ぶ人は実際増えてきているのかな?と。やはり慣れた都会での生活を引き続き、という人が大多数なんじゃないかな、と。
年をとってから住み慣れた土地を離れ、新しい見知らぬ土地に移り住むのはしんどい。それはあるんじゃないかな、と。

一方で、これまで住んでいた場所でのしがらみがイヤで、リセットしたくて田舎のほうへ引っ越したという人も知っています。引越しに踏み切った理由はぶっちゃけご近所トラブルだったそうで、ご本人いわく引っ越してすごく気が楽になったらしい。これから新しい土地で知り合いができてももうトラブルを起こすようなことはしたくないし、自分で十分に気をつける、と。引っ越すことができてよかった例になると思いますが、誰もが引越しできるわけではないというのはあるなぁと。

まぁ田舎は田舎でしがらみや風習といったものがあるけれど、地方には地方のよさがあって、食べ物がおいしかったり空気がきれいだったり、人もあたたかったり、人情があるなぁと思うことが多いです。のんびりした空気が影響するのかもしれないです。町の人を見ていると、不便は不便として受け入れて、さまざまな工夫していらっしゃって、本当に頭がさがる思いです。

3.仕事がないのがネック

私自身、読みたい本が読めて、ネットができて、発信できるのであれば、どこに住んでいてもいいな、と。本でもCDでもなんでもネットでほしいものはたいてい買えるし、車の運転は好きなので、車の移動も苦にならない。むしろ音楽を聴いたり楽しい。その場所に仕事があり収入を得られるのなら、どこに住んでもいいな、と。

そう。仕事。仕事こそがネックで重要。

地方には仕事がないです。ないわけではないけれど、少ない。限られています。誰もが農業をというわけにもいかないですし。

仕事さえあれば、地方に住んでもよいという人は意外といるかもしれないな、と。
満員電車で通勤するのはもううんざりだ、と東京在住の知人は言っていて、体調が悪い日の満員電車は特に最悪で泣きたくなる、でも出勤しないわけにはいかないし、と。地方によっては電車すら走っていなくて(廃線になっていて)、自分で車通勤が当たり前だったりします。移動中車の中は自分だけの空間で、音楽も心おきなく聞けるし、おにぎりをもぐもぐしながら運転ということもできます。事故にはもちろん気をつけないといけないですけれど。

地方で暮らすためにはまず仕事を。

地方に仕事を。

橋や道路、建物を作るだけではなく、その場所でずっと仕事ができるような、そういった環境、体制づくりを。

そう思います。

地方のよさをPRすることも大事。そこに行けば何かある、面白いものがある、楽しいことが経験できる、そういった場をそこに設けること。キャンプ場でもいいし、山の斜面を生かした本格的アスレチック公園でもいいし、特産品を売りにした祭りやイベントでもいいし、「道の駅」のようなものにも人は集まってきます。温泉や旅館ももっとこぎれいな.ホスピタリティをもっと意識したものにしていけば、人は来るようになると思うのですよね。サービスの質がとてもよいとは言えない温泉や旅館に人は来ないです。どういうサービスをすればいいのか喜ばれるのかそういった知識や実技指導等教えてくれる人が地元にいないというのも寂れていく原因じゃないかな、と。

あきらめたら、そこで終わり。そこに住む人で知恵をしぼってなんとかしていく。このままじゃいかんよね、と思うのなら、どうしたらいいか考える。活性化に成功した町を調査したり分析したり、真似したり参考にできることはおそらくあるはず。仕事がふってくるのを待つのではなく、多くの人がずっと働ける場所を創ること、それが大事かな、と。


うまくまとまりませんでしたが、このへんで。