記憶による呪いについて

もうずっと前に耳にした言葉なのに深く突き刺さり、えぐりこみ、時間が経った今も、亡霊のように「言葉を聞いたシチュエーション」もろともまざまざと蘇ってくることがある。もうこれは呪いだと思う。記憶による呪い。繰り返し思い出してしまうつらい記憶は呪いだ。


亡霊のように蘇ってくる記憶にチェックをいれてDeleteできないところがもどかしく、それでいて、他のことは都合よく忘れてしまうこともあるので、つらい記憶も精神安定・防御機能でふるいをかけるように忘れてしまえるようにならないものか。


思い出さないようにする方法として、なにか他の事に集中するというのは、私がよくやっていることだ。それでも時折、なにかの拍子に思い出して、苦しくなるので、まだまだ呪われているなと思う。自分の脳にえぐりこんだ言葉に。


どうすれば、呪いは解けるのか、いまだにわからない。もしかしたら、ずっとわからないままかもしれない。
記憶を選択して消せないのだから、まぁ仕方がない。願わくば、夢の中にまで亡霊が現れないでほしい。
以前、眠るのが怖いことがあったのだけれど、それは悪夢を見るから。
眠ってしまったあと見る夢をコントロールすることはできなくて、ずいぶん苦しめられた。
こんな風に書いていると、今夜、夢の中にまだ亡霊が出てくるかもしれない。「簡単に忘れられると思うなよ」と。


記憶による呪いは、そう簡単には解けないかもしれない。解けなくても、頭の中で亡霊を飼っているとしても、生きている以上はacceptするしかないのかもしれない。


私に限らず、他にも頭の中に亡霊を飼っている人、つらい記憶に怯えている人がいるかもしれない。つらい記憶は、その人しかわからない。その人にしかわからないのだから、そっとしておくのが、いちばんよいと思う。