おじいさんたちのオフ

曇っているけれどさほど寒くはない穏やかな日曜の朝、私はコーヒーを飲みながらカフェで読書をしていた。
オレンジスコーンが朝食がわり。
天井にはグレーのシーリングファン。
流れる音楽はジャズ。


本を読み出していい感じになってきたところで、ふと入り口のあたりがにぎやかになってきた。カフェの一角におじいさんたちが集まりだした。
「あけましておめでとう」「今年会うのははじめてですね」というようなことを話している。それぞれの正月でのできごとや自分の娘、息子や孫の話や旅行の話などしていた。
ぞくぞくと集まってくるおじいさんたち。みな定年退職をして、さらに数年は経過しているような年のひとたちばかりだ。杖をついている人もいた。


最終的には十人くらいになった。みなおじいさんばかり。
どこかの会社のOBなのだろうか。みな顔見知りで、気心もしれているらしい。
みなどこからか集まってきて、コーヒーを注文し、カフェの一角のテーブルを囲み談笑している。
ああ、これはオフ会なんだ。
おじいさんたちのオフ。普段ネットでオンラインでつながっているわけではないと思うけれど、こんな風に集まるのはオフ会みたいだと思った。


ひと月に一度くらいの割合で、このカフェに集まっているみたいだ。
集まっているみたいだというのは、私の想像なのだが、たぶん当たっていると思う。
お互いの近況報告や世間話をしている。
いいな、と思った。
歳をとっても、こんな風にどこかのカフェで集まっておしゃべりして……。