フリーレンを読んで、考えたこと(その2)


引き続き、フリーレン(主に1巻)を読んで考えたことを書いてみようと思う。


ネタバレありなので、ネタバレを踏みたくない人は、そっ閉じ推奨。



ヒンメルは、あちこちに彼の像を残していて、それはフリーレンのためだったりする。(あとでフリーレンが思い出をたどれるように)
ヒンメルは本当にフリーレンが好きだったんだなぁと思えるエピソードはいくつもあって、しかしながら、フリーレンはエルフという長命種で、人間とは寿命の長さがちがいすぎて、そこのところをヒンメルはわかっていて、深く踏みこもうとしなかったのかなと。


長命種のエルフより人間のほうが先に死んでしまうのは自明の理で、しかもフリーレンの感情の機微は他の人とはかなり違うというか、まぁ一言で言えば「ドライ」なんだろうけど、「ドライ」というより「他者の感情を感じ取るセンサーがない、鈍い」みたいなそういう風にも思える。そして、「他者の感情を感じ取るセンサーがない、鈍い」というのが生まれつきならフリーレンを責められないし、作中では徐々に感じ取るセンサーが働くようになっているようなので、まぁ長命のエルフならそういうケースもあるのかもしれない(さまざまな面で成長が遅いというケース)。


ヒンメルたちと冒険していた当時、ヒンメルの想いにフリーレンが気づかないままだったのかと思うと、哀しい。しかしながら、もっと哀しいのは、ヒンメルの死後にその想いにフリーレンが気づくこと、そのほうがもっと哀しいかもしれない。

…人間の寿命は短いってわかっていたのに…
…なんでもっと知ろうと思わなかったんだろう…
葬送のフリーレン(1) (少年サンデーコミックス)より

これはヒンメルの葬儀の時のフリーレンの台詞で、フリーレンは涙を流している。
フリーレンの涙は知ろうとしなかった後悔の涙で、おそらくヒンメルの想いに気づいたがゆえの哀しみの涙ではないように思う。


このコマのフリーレンに幼さを見るとともに、フリーレンが変わった(変わり始めた)瞬間だとも思っている。


その後先にハイターと別れ、次にアイゼンと別れるときの

私はもっと人間を知ろうと思う。
葬送のフリーレン(1) (少年サンデーコミックス)より

というフリーレンの言葉。フリーレンを変えたのはヒンメルで、おそらくヒンメルもそう変わってくれることを望んでいたのではないだろうか。


フリーレンにとって魔法収集の旅であり、人間を知る旅。
その後、ハイターからフェルンを預かり、アイゼンの助言で死者と話すことができるという「魂が眠る地<オレオール>」への旅へと舵を切るのだけれど、いやはやまだまだ先は長そう。というか長くていいと思う。長ければそれだけ読者としては楽しめるわけだし、なんといっても魔王は倒しても魔族は存在しているので、敵には困らない。戦う話はいくらでも作れそうで、一度登場したもののその後退場した人たちもいるので、再登場してなにか一波乱的な話もあるだろうし。


長くなってきたので、そろそろまとめたいのだけれど、いつものようにまとまりそうにない。
記事のタイトルも「フリーレンを読んで、考えたこと(その2)」という無難なタイトルにしていて、これはこれで楽でいい。
とにかく記事のタイトルをつけるのが苦手なので。


人が変わる瞬間やきっかけというのは、後悔とかつらい経験とかだったりするのかもしれない。(フリーレンの場合、人ではなくエルフ)
変わることはなかなか難しい。難しいけれど「このままじゃダメだ」とか「変わった方がいい」と思い始めた時点で変わることは始まっているように思う。なかなか変われなくてモヤモヤしたり、試行錯誤しては徒労に終わることも多いのだけれど、それらもまた経験としてカウントしたい。


長くなってしまったので、このへんで。
ストックがあったら、また予約更新します。(予約更新はPM9時の予定)