フリーレンを読んで、考えたこと(その1)

フリーレン、漫画の方の感想というか考察というか、いろいろ考えたことを書いてみる。
ネタバレありなので、踏みたくない人はそっ閉じ推奨。









私の好きなセリフはまぁいろいろあるのだけれど、1巻冒頭のヒンメルの

帰ったら仕事を探さないとな…


大事なことさ。
魔王を倒したからといって終わりじゃない
この先の人生のほうが長いんだ。
葬送のフリーレン(1) (少年サンデーコミックス)より

いやはや、本当にそうだよ。と激しく頷いてしまう。私の好きなセリフだ。


私の場合、
学校を倒したからって、それで終わりじゃない。その後も人生は続く。
その後の人生の方が長い。

そう言いたい。


本の学校で言うと、6・3・3で高校までの12年間が終わる。大学まで行けば16年間。(修士課程まで行けば18年間)
長い。
その長い期間が終わったあと、そう、学校を倒した後がこんなに長いものだとは。


学校を倒したら、自由になれると思った。
働いて稼いで、自由になって、もっといろいろなことができると思った。


もちろん、金銭的には学生時代よりはできることが増えたけれど、制約もあったわけで、特に私の場合、時間的に厳しくなったんだよね(フリーレン風)。


学校を倒したはずなのに、相変わらず早起きして電車に乗らないといけないし(遠距離通勤だった)、家に帰りたくても終業時間が過ぎたらすぐ帰れるわけでもなく、本来自分の仕事じゃない仕事が回ってきたり、尻拭いをさせられたり、人間関係はややこしいし、セクハラ、パワハラもすごかったし、ストレスは学生時代の比じゃなかったわけで。


もっとも今思うと、学校を卒業して、たいした資格も持たず、特別な能力も持たず、経験値もなく、いやはや本当にMPなし、防具(装備)なしの状態でよくぞ未知のダンジョンに飛びこんだものだな、と。ちなみにHPもかなり低かった。


そういう状態だったので苦労の連続であったけれど、「そういう状態なのは誰しも一定期間あるわけで、過ぎてしまえば……」的なことを私は言いたくない。
学生時代に戻りたいとも思わないし、新人ダンジョン迷子状態にも戻りたくない。封印して谷底に突き落とすか深海に沈めてしまいたい。つらい記憶とか思い出はいらない。


唯一(?)よいこととしてあげるなら、当時の自分と今の自分はちがうということ。もう新人ではない。自分の状態もちがえば、環境もちがう。それは救いだと思う。


話をフリーレンに戻して、フリーレンのように長命であるなら、

魔法の収集を続けるよ。
100年くらいは中央諸国をめぐる予定だから。
葬送のフリーレン(1) (少年サンデーコミックス)より

ということでいいかもしれない。好きなことを続けて、世界を旅する。それもいい。100年は、エルフにとって10年とかそれくらいの感覚なんだろうか。もしかしたらもっと短いのかもしれない。
魔法という能力があるので、なにか仕事をして路銀は稼ぐことはできる。家も魔法で作れたりするだろうし。
では、魔法が使えない人間の場合、どうしたらいいのか。
使えないなら使えないで、なにかできることで稼ぐしかないわけで。


ヒンメルのように魔王を倒した勇者であれば、褒賞も与えられて、衣食住は困らないだろうし、ヒンメルは「仕事を探す」と言っていたけれど、勇者ということでむしろ頼られるというか、仕事の依頼もあっただろうなと推測するのだけれど、そもそもヒンメルは困った人を見過ごせない人だったから、きっとあちこちで進んで人助けしていただろうな、と。(ちなみにハイターはその後、聖都の司教になっていて、フリーレンから貫禄が出たねと言われている)


ヒンメルの「帰ったら仕事を探さないとな…」というのは、かなり謙虚というか控えめというか、魔王を倒したのだから、その後の仕事なんか心配しなくてもいいだろうに、おそらく「僕は勇者だ、魔王を倒したんだ」的なドヤ顔はしない人生だったんじゃないかな、と。(あちこちにヒンメルは自分の像を作らせているけれど、それには理由がある。それについてはいつか書きたい。)


冒険は終わった後も、ヒンメルはヒンメルで活動していたようだし、そのあたりもこれから先、描かれることがあるんだろうか。(例えば、ヒンメルは封印したクヴァールの様子を確認に毎年ある村を訪れていたりしている)


ヒンメルたちも魔王を倒すまで10年の冒険をしているわけで、それなりに苦労もし、いろいろあっただろう。冒険についてヒンメル自身「まったく、クソみたいな思い出しかないな。」と言っていて、「でも楽しかったよ」「僕は君たちと冒険ができてよかった。」とも言っていて、そういう風に言えるヒンメルは勇者らしいといえば勇者らしく、まぁ一言でいえばカッコイイ。


さて、長くなったのでこのへんでまとめたいが、まとまりそうにないし、一体私はここで何を書きたかったのかすらよくわからなくなってきた。
あ、そうか。あれだ。


学校を倒したからって、それで終わりじゃない。その後も人生は続く。
その後の人生の方が長い。

ということだ。


その後の人生の方が長い。それなら(どうせなら)楽しんだほうがいいかもしれない。ヒンメルならきっとそうする。


長くなってしまったので、このへんで。
ストックがあったら、また予約更新します。(予約更新はPM9時の予定)