ひとつの会社で十年以上働いている人の話を聞くことがあって、いやはや多少はオーバーに言っているところもあるかもだけれど、心の中で呟いてました。「ブラックな会社だなあ」と。
いつも仕事を持ちかえって家でしていたり、会社で残業しても少なめにしか申請していない(少なめにしか申請できない?申請しにくい雰囲気がある?)とか昼休みがちゃんととれない日もあるとか、とにかく人が足りなくて、忙しくて休めないとか。そういう状況だから、募集しても辞めてしまう人が多いとか(一応、古参の人もいる)。でもその人はその会社のことをものすごく褒めるし、この会社で働けてシアワセ、やりがいを感じてるみたいなことも言っている。
おそらく、ずっとその会社で働いている人にとって、そういうのは当たり前で、そういう会社が常態で、他を知らないというのもあって「会社」いうのはこんなものだよねと思っているのかな、と。
私の場合いろいろな業種で働いたことがあって、上記の会社に近いブラックな会社で働いたこともある。そこは、とにかく休めない会社で、会社と従業員の金銭トラブルの話とか聞くことも多くて、人間関係も良くなくて、ゴタゴタに巻き込まれる前に早く次を決めて会社を変わろうと……。でも結局1年くらいそこで働いたかな。でもまあ、その会社も長い人は十年とか十五年とか働いている人もいて、「いまさら他で働けない」みたいなことを言っている人もいて、なんというか、そういう会社であっても受け入れざるを得ないというか、いろいろトラブルは起きるけど、「またか」的な鷹揚さを見せる人もいて、その人はこれまでに何回も修羅場をくぐり抜けてきたんだなろうな、と。
いまさら他では働けない。とりあえず働き続けられるところがあるからシアワセ。よそはよそ。もっと労働条件がいいところがあるのも知っているけれど、自分がそこに採用されるとは限らない。条件がよいところ=おいしいところに人は群がるものだから。
あとは、「隣の芝生は青く見える」理論(?)。
他の会社は良く見える。うん。でも、実際は、やっぱりいろいろあってると思う。会社に限らず、人に関しても。表には決して出てこない内部でいろいろ問題を抱えていたり。
で、タイトルに戻るけれど、今働いているその会社しか知らないというのはシアワセなことなのか、ということ。よそを知らないから比べられないし、ずっとその会社で働いていて、その水に慣れてしまって、たとえその水が多少濁っていたとしても当たり前だと思ってしまう。
そこの水でこれまでなんとか生きて泳いできたわけで、しかしながらその水からあがり、全く違う新たな水に飛びこむというのは、本当に勇気がいることで、今よりはマシになるハズ!というのは、あくまでも希望的予想であって、現実はどうなるかわからない。
私など全く違う水に飛びこんで、溺れたら……と思ってしまう。若い頃のように体力もないわけだし、新しいことを覚えるのも正直苦手だ。特に人間関係。全く知らない人に囲まれて、また1から……となると臆してしまう。あとは、年をとっていると、それだけで転職は不利だ。よほどの能力やスキルを持っているとかでなければ。
とりあえずそこで泳いでいられるのであれば、無理に水から上がらなくてもいいのかな?と。もしかしたら、会社の状況が変わるかもしれないし(友人の会社ではお局様が急に会社を辞めて、とても働きやすくなったと言っていた)、様子見をするのも一つの手だと思う。でも、ブラック沼でもう泳げない、溺れる、沈没する(身体を壊す)というのであれば、早々に逃げ出すことだ。
長くなってしまったので、今日はこのへんで。