僕という名の孤独。

僕はいつか土に還る。あるいは宇宙に還るのかもしれない。
生まれてきたときもひとりで
死ぬときもひとりだ。
だからさびしくはない。こわくもない。たぶん。


僕は一年でだいたいひとつの仕事のサイクルを終える。
忙しい時期があって、少し暇な時期があって、また忙しい時期があって、そして終わる。その繰り返しだ。


ネットを覗いては僕がもし他の仕事をしていたらとしばしば想像する。
どんなふうに生きていくのがよいのか、考えたり。


生き方にこれがよいとかこれが正解とかそういうのはない。
ないけれど、無理矢理合わないことをしているより、自分ができることをやっているほうが心地よいし、結局は長続きするものなんだろう。


以前僕には難しすぎる仕事を任されて、毎朝泣きながら通勤していた。
職場が近づくにつれ、涙が視界を歪ませた。
考え事をするには十分すぎる駅から職場までの道のり。
まぶしすぎる太陽と淡々と出勤していく人たちの見えない力に
僕はぎゅうっと萎み、まるで乾燥した皺だらけの干物みたいになっていた。


誰も助けてくれない、そう思いこんでいた。


成長は自分でしないと誰も成長させてはくれない。


僕は自分の力のなさを実感していた。そして、それでも諦めずにいられる強さを身につける必要があった。


言葉の世界に僕は没頭した。のめりこんでそこから抜けられなくなった。
のめりこむことで、孤独を紛らわそうとしていたのかもしれない。
あるいは、さびしさを何かで埋めようとしていたのかもしれない。
決して埋まることはなかったのだけれど。


僕はずっと思っていた。
カッコよく生きたいと。


今の僕が思うこと。
土の上を歩きたい。
草原を裸足で走り回りたい。
息が続かなくなるまで走り続けたい。


空をひたすら眺めたい。
風の動きを全身で感じたい。


僕はいつか土に還る。あるいは宇宙に還るのかもしれない。
それまでに僕は何ができるのだろう。
何か残せたりするんだろうか。


僕という名の孤独はまだまだ続く。
いつか土に還るまで。
いつか君に会う日まで。