ギスギスキリキリしている人は苦手だ。
そういう人に遭遇すると逃げ出したくなる。
わたしがのほほんとしているからかもしれない。
たいていのんびりしているので、そんなわたしに対してイラッとする人も前の職場にはいた。もっとも、その人はわたしに対してだけでなくたいていいつもイライラしていて、よく体調不良を訴えていたように思う。
さて、愛用のキッチンタイマーがうんともすんとも言わなくなった。
いや、キッチンタイマーだから、ピッとポッとも言わなくなった。
と書いたほうがいいんだろうか。
ポポポポ♪ポポポポ♪と鳴るタイマーも案外かわいらしくていいかもしれない。
ぽぽぽぽーん♪というのも流行ったことだし。
さて、話を戻して、音が出なくなったキッチンタイマーを買ったお店に持参し修理してもらうことにした。
サービスカウンターでタイマーを見せ事情を説明すると、キッチン家電の担当者が参りますということで、その場でしばらく待つことになった。
サービスカウンターには三人ほど女性がスタンバイしていたのだけれど、そのうちの一人がどうにも目についてしまった。
なんでそんなに機嫌が悪いんだろうと思うくらいキリキリギスギスしていた。
他の二人の女性も機嫌よく働いているようには見えなかった。
カウンターの担当同士のやりとりにどうにも不穏な空気が漂っていて、うまくいっているように見えない。
三人それぞれの表情が暗く、ため息をひそかについていそうなそんな雰囲気だった。
しばらく待ってキッチン家電の担当という五十代くらいの男の人が来た。
終始にこやかで腰が低い。保証期限内だから無償で修理できるだろうとのこと。
ああ、そうか。と膝を打ったわたし。
笑顔だ。
満面の笑顔でなくてもよいけれど、口角をあげていれば、少しは感じよく見えるものなんじゃないか、と。
口角が下がっていることで不機嫌そうに見えるというのはあるなぁと。
かく言うわたしもいつも鏡を見ているわけではないから、案外口はへの字になっているのかもしれない。
意識的に口角を上げるようにしたいなぁと。
にこっ。
あるいは、きりっ。
としていていたいなと思った。