本のレビューを眺めていて思ったこと

とある本のレビューに「買うんじゃなかった。千数百円もお金を出してもったいなかった」といった感じのものがあった。その本は続編で、1冊目が良かったので続編も買ったけれど、期待はずれで、がっかりしたというのがそのレビュワーの感想で、ああ、確かにこういうことはあるよなぁと。
1冊目がいい感じで売れたので「続編も出しましょう」と出版社から言われ作者は続編を書いたのかな、と。


ところがどっこい、続編は1冊目ほどのインパクトや内容がなく、期待して買った読者はがっかりさせてしまうことに。がっかりしたというレビューはじわじわと広がって、続編は1冊目ほどは売れない結果に。二匹目のドジョウはやっぱりいないということになるのかも。


続編がすべて「ハズレ」だとは思わないけれど、1冊目よりは質が落ちる、評価されないというのはあるのかなぁと。内容が薄かったり、1冊目で書かれていたこととタブっていたり、2〜3行で済むような文章を十数行に膨らませて書いていたり・・・。


で、実際問題マイナスのレビューがあまりに多いと「買うのどうしようかな」という感じになるし、まぁそのうち図書館で見かけたらその時読めばいいかな、という感じになってしまったり、レビューが及ぼす売上への影響はかなりあるのではないかと思う。ベタ褒めばかりのレビューもそれはそれで、ステマのにおいがして、かえって警戒してしまうのだけれども。


レビューが及ぼす売上への影響を考えると、ホイホイと続編を出してしまうのは良くない気がする。1冊目をさらにパワーアップしたものでないと続編は売れない。1冊目が良い本であればあるほど、続編を期待するのが読者で、その期待が裏切られると「買うんじゃなかった。千数百円もお金を出してもったいなかった」となってしまう。中にはがっかりして「もうこの作者の本は買わない」とそっぽ向く読者もやはりいると思う。一度そっぽ向いた読者はもう戻ってこない。そんなものだと思う。続編を出すときは慎重に、時間をかけたほうがよいと思う。