『「いい人」をやめると楽になる。』―「人はかならず誰かに好かれ、誰かに嫌われている」

読んでみました。

はっとさせられたり、「ああ、そういう考え方もあるのだな」と刺激になる箇所が多かったです。
以下引用です。

人はかならず誰かに好かれ、誰かに嫌われている


人間の中には、必ず排他的な心理がある。人はかならず誰かに好かれ、誰かに嫌われている。それをいちいち気にする必要はあまりないように思う。嫌われている人の心はあまり乱さないほうがいいからそれとなく遠ざかり、自分と気が合うと言ってくれる人と感謝して付き合う。それが自然ではないかと思う。嫌う相手に好きになれ、と強制するほうが私は惨めで浅ましくていやだ。

とありました。そうですね、全部の人に好かれるというのはまず無理なことで、性格的に考え方的にどうしても合わないというのはあります。
引用の中にもありましたが、

嫌われている人の心はあまり乱さないほうがいいからそれとなく遠ざかり、自分と気が合うと言ってくれる人と感謝して付き合う。

そのほうが平和でお互いのためにもよいかもしれません。
もっとも、考え方の違いから、お互い反目しあって、しかしながら、相手の考え方が自分の考え方を深めるような良い刺激となるのであれば、それはそれで良い関係なのかもしれません。ライバルがいるほうがやる気が起きてよいと言う人もいます。


本のタイトル『「いい人」をやめると楽になる。』の「いい人」の定義はやはり人それぞれちがうと思います。「あらゆる人から好かれる人」=「いい人」ではないと思いますし、そもそもあらゆる人から好かれるというのは到底無理なことだと思うのですよね。
自分が思う「いい人」に無理やりなろうとして疲れてしまっていろいろめんどくさくなってしまって逃げ出したくなる、投げ出したくなるというのは、まぁありうることだと思います。逃げ出したくなる、投げ出したくなるほど自分を疲れさせなくてもいいんじゃないかなと、そう思います。
案外ゆるいくらいの関係のほうが長続きするというのはあるように思います。この本に書かれている考え方は頷ける部分もありますが、ちょっと厳しいなぁと思うところもあります。まぁそういう考え方をする人もいるのだなぁということで、それはそれでよいと思います。


曽野綾子さんの著作の抜粋からできているのですが読みやすかったです。