遠い国のパレード

2018年になって、もう3日目になっていた。
昨年は忙しすぎて、一体何をしてたのか、思いだそうとしてもほとんど思い出せない。高速で走る新幹線から見る窓の外の景色が一瞬過ぎて記憶に残らないのと似ている。


昨年のこともろくに記憶に残っていないので、今が2018年だというのも、新しい年が始まったというのも、遠い国で行われたパレードのようで、実感がない。


「忙しい=仕事がある」というのはしあわせなことだと思っている。しあわせなことだけれど、あまりに忙しいと失うものも多くて、失ったことに気づいてから呆然とする。後の祭りとはこのことか。


思うに昨年はずっと現実感がなくて、機械的に惰性で砂を噛むように生きていたように思う。


あらためて、こうして振り返るきっかけとなったのだから年が新しくなるというのは、よいことかもしれない。今まで年が変わってもなんとも思っていなかったのだけれど、振り返るのは無駄なことではなく、これからのことを考えるために必要なことなのではないかと。


一旦止まって、冷静さを取り戻す時間が時には必要で(今がそうなのだけれど)、もう昨年のようなろくに覚えていない一年に今年はしたくないなと。


遠い国のパレード。パレードを眺めている自分は無気力で疲れていて、でもそれは自分が望む自分ではないように思う。今年は落ち着いて、地に足をつけて、これだけのことをやった、と言える1年にしたい。