「やってみて駄目なら、またそのときに考えよう」

カナダ生き生き老い暮らし

カナダ生き生き老い暮らし

67歳でカナダのトロントに移住した宮松芳子さんのカナダライフを娘さんが生き生きと書き綴っていて、一気に読んでしまった。
移住したのは1977年。その年から22年カナダで暮らし、また日本に戻ることになったようで、

「私は後ろを振り向かないのです」
「人間、過ぎてしまった過去を振り返ってもどうなるものでもありません。今あるのは、前を見てあるくことだけです」
「だから人生は楽しいのよ。先がまったくわからないから!」
カナダ生き生き老い暮らし』より

なかでも、娘一家のうちを出、一人暮らしをはじめるときの

「やってみて駄目なら、またそのときに考えよう」
カナダ生き生き老い暮らし』より

の言葉。前向きで良いな、これはなかなか良い考え方だな、と。
まぁ、なんでもやってみないとわからない。やってみないと何も変わらない。駄目な場合もある。そのときはしょうがない。またそのとき考えればいい。

シニア向けのアパートがあり、娘の家族に頼らなくてもやっていけるだろうという判断、娘夫婦とその子どもとほどよい距離をおくことでそのほうがむしろ気楽で自由な生活が送れて、結局のところよかったようだ。

異国に住んでがんばっている人の話を読んだり聞いたりするのは好きだ。異国で、いろいろ苦労もあって、さびしかったり、不自由があったり・・・。まぁわたしは日本にいながら、なかなか行動に移せなかったり、いろいろな計画も頭の中でいまだに空中遊泳していたりで・・・。

「やってみて駄目なら、またそのときに考えよう」

これは、しみる。「計画をいつまでも寝かせているだけではダメなのだよ」自分に言ってやりたい。

文庫もあるみたいです。

カナダ生き生き老い暮らし (集英社文庫)

カナダ生き生き老い暮らし (集英社文庫)