外柔内剛ということ

本を読んでいたら「外柔内剛」という言葉が出てきて、「ああ、これは良いな」と。


外柔内剛の人。つまり、見た感じは柔らかで穏やかで、でも内にはしっかりとした強い意志や自分の軸がある人。自分の価値観を無理に押し付けることはしないけれど、安易に周りに流されたりもしない。トラブルや困った場面でオロオロしたりパニクることなく冷静に柔軟に対応できる人というのがわたしの理想で、わたしもそうなりたいと思う。


「芯が強い」というのは長所のように思えるけれど、芯が強すぎて「融通が利かない」人も中にはいるので、そのあたりは要注意かな、と。


ものすごく頭の回転が速くて、知略に富んだ人はすごいと思われる一方で、「ずる賢い」と言われる可能性もあるわけで、したたかさや図太さも時に必要だけれど、それを「ずうずうしい」と嫌う人が現実にはいる。ネットにおける炎上マーケティングなんかもそれにあたるかもしれない。


自分の利益や都合が優先で、相手のことを考えない人(相手の意向を聞かない人)の話を最近聞いたけれど、それでは二人の関係はうまくいかなくなると思う。うまくいかなくなったら、その時は自分の都合優先の人は相手との関係をドライに切り捨ててしまうのかもしれない。確かに切り捨てれば楽になるかもしれないけれど、切り捨てること(あるいはあえて疎遠になるように自分から去っていくこと)を繰り返していれば、ずっといつまでもその人は独りのままなんじゃないだろうか。関係を修復することをめんどくさがり、関係修復能力のないまま年をとって、「浅く薄いつながりをつないでは切り、また別の人とつないでは切る」を繰り返すのではないだろうか。



人間丸くなったらおしまいだ。多少とんがって突き抜けていないと高みは目指せない。そういう考え方もあると思うけれど、本当に高みに到達した人は腰が低いし、ネガティブに誰かを(あるいは何かを)攻撃することはないんじゃないかと思う。つまり、自ら誰かの反感を買って敵を作るようなことはしないのではないかと。


外柔内剛。誰かに自分の価値観を押し付けることなく、しかしながら自分の価値観、軸はしっかり持っていたい。自分の価値観はしっかり持っているけれど、自分の都合(考え)だけを優先させるような融通が利かない人にならないようにしたい。見た感じは柔らかだけれど、でも仕事は安心して任せられると言われるようなそんな人になりたいな、と。