顕示的消費の終わり。

ある本を読んで思ったのは、顕示的消費というのは終わりつつあるのだろうな、ということでした。
顕示というとまず自己顕示欲という言葉が思い浮かびますが、物によって自分を顕示したいということから人は離れつつあるんじゃないかなと思うのです。すべての人がそうなりつつあるというわけではないと思いますが、見栄のための消費ということから離れつつある。不況や収入減で離れざろうえないようになっているんじゃないかと思います。なんといいますか、私個人としてはブランドものやプレミアムなんとかとか限定○○とかそういうものに興味関心がなかったりします。売る側からしてみればやりにくい困った相手だと思います。が、こういうご時世ですから、私のように簡単に物を買わない人というのは増えてきているんじゃないかと思います。


そうですね、収入は増えても、それほど欲しいというものがなかったりします。それほど欲しいというものもないので、別に買わなくてもいいんじゃないかということで私が買い物をする回数自体年々減ってきているように思います。新しい製品や新商品はどんどん世に出てきていますが、新しいからといって欲しいと思わないのですよね。別に今持っているものでいいし、今持っているものを使えばいい。今使っているものが十分使えるし、壊れたとき買えばいいし、とそんな感じです。


ブランド物等を否定はしませんが、見栄のために買う時代というのは終わって、たぶん人が「本当に欲しいと思うものしか買わない」時代になってきているんじゃないかなとそう思います。その「本当に欲しいもの」というのは、人それぞれちがうと思いますが、安いから買う。ブランドだから買う。かわいいから買う。かっこいいから買う。流行っているから買うという時代はもう終わりつつある。いえ、もしかしたら終わってしまっているのかもしれません。安いから買ったけどあとで後悔した。流行っているから買ってみたけど、結局今は使っていない、すぐに飽きてしまった等あると思います。「ああ、高い金出してもったいなかったな」ということが。


さまざまなものを買うという体験を積み重ねて、だんだん賢くなってくるというのはあると思います。なんでも買うのではなく吟味して買うようになったり、また経験値が増えて物を選ぶ目ができてくるというのはあります。だんだん物を見る目も肥えてきて、よいものでないと買わないという人、買おうと思えば買えるけど、自分的に納得するものじゃないから買わないという人はこれから増えてくると思います。


物を売る側からしてみれば、頭が痛いと思います。買わない人たちにいかに買わせるか。買わないとは言っても必需品や消耗品は買うでしょうから、そういったもので自社製品をいかに買わせるか。思案のしどころだと思います。
安くしたからといって爆発的に売れるとは思えませんし、安くした当初は売れるかもしれませんが、自社が安くすれば他社も安くしてきます。買う側も安いのが当たり前になってくるので、高いものは買わなくなる。値下げに文句を言う人はいませんが、値上げするときは文句が出ます。なかなか難しいですね。